一般派遣とは?特定派遣や紹介予定派遣との違いを徹底解説
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派遣の仕事を始めてみたいけれど、「そもそも一般派遣とは?」「派遣は種類がありすぎて分からない」といった不安や疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、一般派遣を始めとして、他種の派遣も分かりやすくご紹介します。一般派遣と紹介予定派遣の違いも丁寧に解説するので、これから派遣を始める方でも安心して取り組めるはずです。きっと働く上での不安もなくなるでしょう。一般派遣で働くコツをしっかりと押さえて、楽しく働きましょう!
一般派遣とは?
派遣社員と聞いて多くの方が思い浮かべるイメージは「一般派遣」でしょう。
一般派遣は「登録型派遣」とも呼ばれますが、派遣社員の「人材が足りない企業に期間限定で派遣されて仕事をする」スタイルを指します。
一般派遣は求人数が豊富かつ特別なスキルを持っていない方でも働くことができる形態です。
業界や職種も幅広く、事務職や製造職、販売職と自分にあった仕事を見つけることが可能ですから「自分の好きな仕事を好きなだけしたい」方にとって適した働き方でしょう。
特定派遣の特徴と一般派遣との違いとは?
ご紹介した一般派遣以外にも派遣社員の形態は多く存在します。
中でも「専門性の強い派遣社員」として有名な「特定派遣」について本項目では解説します。
なお、特定派遣はすでに廃止された雇用形態であるため現在は存在しません。
しかし特定派遣に近い働き方も存在しますので、順を追ってご紹介します。
特定派遣とはどんな派遣?特徴は?
一般派遣と比較される派遣の種類が「特定派遣」です。特定派遣は専門的な知識を必要とする業種に派遣される特徴があります。
専門的な職種は様々ですが、代表的な職種としては下記の通りです。
・ソフトウェア開発
・秘書
・翻訳・通訳
・研究開発
・広告デザイン
また、ITエンジニアの専門的な知識を持つ方は「特定派遣技術者」と呼ばれることもあります。
特定派遣と一般派遣の違い!2つの相違点は?
一般派遣と特定派遣の大きな違いは「業務の専門性」「雇用形態」です。
業務の専門性は先述した通りですが、大きな違いとして雇用形態が挙げられるため細かく解説します。
「一般派遣」の場合は派遣会社に登録を済ませ、派遣先が決定して初めて「雇用契約」を結びます。したがって派遣先企業で就業している間のみ、給与の支払いが発生する臨時的な関係性です。
一方で「特定派遣」は専門性を必要とするため、希少性が高く需要が高い形態です。したがって雇用形態も条件がよく、派遣会社に「契約期間に定めのない雇用」として直接雇用されます。
直接雇用されるため、派遣先が決まっていない待機期間も給与の支払いや社会保険が適用されたり、場合によっては正社員同様に手厚い福利厚生を受けることもできます。
2種類の派遣社員について解説した上で「特定派遣は条件が良いし、なれるものであればなりたい」と考える方も多いと思います。しかし「特定派遣」は2015年(平成27年)の派遣法改正で廃止されています。
ですから現在は「特定派遣」という形態は存在しません。
しかし特定派遣に似た雇用形態やステップアップ制度が設けられていますから、事項からは特定派遣が廃止になった理由や派遣の実情を踏まえて「これからの派遣のかたち」を解説していきます。
特定派遣はなぜ廃止になったのか?
特定派遣廃止の大きな目的は「派遣社員の雇用安定」です。
一見すると特定派遣はメリットが豊富ですが、実情を踏まえると一概に「良い」とは言えませんでした。特定派遣は派遣会社と直接雇用を結ぶことから、正社員のように安定した働き方ができると記載しましたが、実際の現場では正社員の扱いを受ける方ばかりではありませんでした。
制度の裏を返せば「特定派遣=派遣会社の正社員」ではなく「雇用期間に定めがないこと」が特定派遣の特徴ですから、雇用期間に定めがなければ契約社員でも準社員でも良くなります。
したがって実際に特定派遣として働く方には、契約社員や準社員と不安定な働き方が多く存在していました。
上記のような制度の裏をかいた不安定な雇用形態を改善するために、特定派遣廃止が行われました。
特定労働者派遣制度の廃止後の対応は?
2015年に廃止が決定した特定労働者派遣制度ですが「明日から廃止です」となっては当然、派遣会社も労働者も混乱します。
したがって2018年9月29日までは国に申請することで、特定派遣は認められていました。しかし2018年9月30日以降は完全に制度が廃止され、現在は認められていません。
紹介予定派遣の特徴と一般派遣との違いとは?
特定派遣が廃止され、効率的な派遣の働き方が1つ失われました。
しかし現在ある派遣形態の中に「紹介予定派遣」というものがあり、特定派遣に並んで安定した働き方を目指すことが可能です。
本項目からは紹介予定派遣について詳しく解説します。
紹介予定派遣とは?
紹介予定派遣は「ゆくゆくは企業の直接雇用を狙う働き方」を言います。
紹介予定派遣は、まずは派遣社員として派遣先企業で勤務し、一定の試用期間をクリアしたら派遣先企業で正社員や契約社員として直接雇用してもらえるかたちを指します。
直接雇用になると、企業の福利厚生を受けたりボーナスや退職金等、派遣社員にはなかった恩恵を受け、安定した働き方が可能となります。
一般派遣と紹介予定派遣の違い!2つの相違点は?
特定派遣の廃止に伴い「紹介予定派遣」が注目されています。
繰り返しになりますが、紹介予定派遣は「派遣先企業での直接雇用を前提に派遣されるシステム」を言い、最長6ヶ月の期間で直接雇用を目指せる派遣の形態です。
本項目では一般派遣と紹介予定派遣の違いを比較して解説します。
違い①:派遣契約できる期間
一般派遣の場合、契約期間は3ヶ月から長くとも3年という決まりがあります。
一方で紹介予定派遣は「最長6ヶ月」と期間が短めに設定されています。
紹介予定派遣は、非常にタイトな期間設定の中で直接契約を結ぶかどうかの決断を労働者と企業が決定しなければなりません。
違い②:直接雇用契約のタイミング
一般派遣でも企業と直接雇用契約を結ぶチャンスはあります。
派遣先での働きぶりを認められた場合、派遣の「3年ルール」により3年経過前に直接雇用の提案があるケースが多く聞かれます。
一方で紹介予定派遣は、6ヶ月以内には直接契約を結べるか否かがスピーディーに判断がなされます。
違い③:派遣契約満了後の雇用
一般派遣は派遣契約終了後は次の職場を探す必要があります。
しかし紹介予定派遣は「派遣先企業との直接契約」を前提とした働き方ですから、派遣契約満了後は派遣会社を離れ、派遣先企業と正式な雇用契約を結びます。
違い④:事前面談の有無
一般派遣の場合、雇用契約締結前の面談は原則として禁止されています。
ミスマッチを防ぐために会社訪問や顔合わせという名目で派遣先企業を訪れる機会はありますが、採用不採用を問うことは極めて稀です。
一方で紹介予定派遣の場合は面談が実施されます。
紹介予定派遣のゴールは「派遣先企業での直接契約」ですから、派遣先企業も慎重に人材を選ぶ必要があり、面談は必須です。
一般派遣のメリットは?
一般派遣と特定派遣を比較し、さらには特定派遣に代わって安定した働きを目指せる紹介予定派遣との違いを解説しました。
だんだん一般派遣について理解が深まってきたのではないでしょうか。
本項目ではさらに一般派遣へのイメージを深めるため、一般派遣のメリットを4つご紹介します。
パートと比べると時給が高い
「非正規」という同じ括りに属しているパートやアルバイトに比べると、派遣社員は時給が高く効率的な働き方でしょう。
パートの場合だと時給900円の仕事でも、派遣社員では時給1,000円以上に設定されている仕事は多くあります。
派遣社員の時給は交通費や賞与を加味されているため高時給になっています。しかしパートの場合は交通費の支給があっても、賞与がない企業がほとんどです。したがって派遣社員の時給の良さはパート勤務に比べて魅力的と言えます。
生活スタイルに合った仕事が選べる
一般派遣は登録の際に「自分の希望する勤務時間や曜日、職種」を担当者に伝えることができます。例えば子育ての合間に働きたい方の場合「10時から16時まで」「子供が体調不良の際に休みやすい仕事」と、希望を細かく設定して仕事探しができます。
仕事だけでなくプライベートを大切にしたい方は、一般派遣がおすすめです。
正社員よりも給与が高いことがある
派遣社員の時給は1,100円から1,300前後の高時給であるケースが多いです。
したがって同じ仕事をする派遣先企業の正社員よりも、派遣社員の時給は高くなります。
効率よく稼ぎたい方にとって一般派遣はとても適しています。
様々な職場で経験を積むことができる
一般派遣は契約期間に定めがあるからこそ、様々な職場を経験できます。
同じ業種で企業を多く経験すれば特定の仕事のスキルアップを図れます。
また様々な業種を経験した場合、多くの仕事の経験値が上がりマルチに勤務できる人材として派遣会社から重宝されます。
様々な職種や職場で経験を積むことは「自分に合った仕事」を探すために役立ちますから、将来性を持って勤務ができます。
一般派遣のデメリットは?
「自分の生活に合わせて無理なく働ける」「時給が高く効率的」とメリット豊富な一般派遣ですが、デメリットも存在します。
本項目では一般派遣で働く時に考えられるデメリット3つをご紹介します。
デメリットをあらかじめ知っておくことで、仕事を始めてから後悔したりミスマッチが起こる可能性を低められますよ。
大きな仕事は任せてもらえない
一般派遣のメリットは「スキルがなくてもできる簡単な仕事」が多いです。
したがって責任が伴う大きな仕事や、専門的技術が必要な仕事は担当できません。
「自分にしかできない仕事を任せてもらいたい」「大きな達成感を味わいたい」方にとって、一般派遣は難しいでしょう。
契約更新しても3年しか同じ職場にいられない
派遣社員には「3年ルール」が存在し、同じ職場で3年以上勤務することができません。派遣社員の雇用機会を均等にするために必要な制度ですが、最長3年で次の職場の心配をしなければならないことは精神的負担となります。
雇用がとても不安定になる
一般派遣は雇用期間の定めがあり、最長で3年までしか同じ職場で働けません。
さらに派遣先企業の経営状況によっては早めに契約終了になる可能性も。
契約更新のたびにドキドキしながら過ごすことは非常に辛いものがあります。
雇用の不安定さを解消したい場合は「常用型派遣」「紹介予定派遣」を検討すると良いでしょう。
まとめ:一般派遣が自分に適しているのかチェックしてみよう
今回の記事では一般派遣について、特定派遣との違いからメリット・デメリットを解説し、一般派遣として働く際に知っておきたい知識をご紹介しました。
一般派遣の良い点は「自分の理想のスタイルで働くことができる」点です。
仕事だけでなくプライベートも充実させてい方にとって一般派遣は適しています。
本記事を参考に「一般派遣に向いている」と感じた方はぜひ派遣会社に登録して新しい一歩を踏み出してみましょう。
派遣会社への登録について詳しく知りたい方はこちらの記事も読んでみてください。
派遣登録のメリットについて詳しく知りたい方はこちらの記事も読んでみてください。

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