2022/04/07
短期・日払バイト

派遣社員の時給が高いのはなぜ?仕組みや給与アップのコツもご紹介

この記事を読むのに必要な時間は約 18 分です。

派遣社員として働くことを検討していたり既に派遣社員として働いている方の中には、

「なぜ派遣社員の時給は高いのだろう」

「バイトや契約社員と比べてお得なんだろうか?」

といったような疑問をお持ちのかたもいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、派遣社員の時給が高い5つの理由と、派遣社員が受け取る給料の仕組みをご紹介します。

派遣とアルバイトのどちらで働くか悩んでいる人は、違いやそれぞれのメリット・デメリットもまとめたので、自分にあった働き方を選べるはずです。

派遣社員の給料の仕組みや時給が高い理由をしっかりと押さえて、楽しく働きましょう!

派遣社員の平均時給を知ろう

まず初めに派遣社員の平均的な時給についてご紹介します。

派遣社員と一口に言っても職種はさまざまです。

様々な職種を平均した時給、また特に時給が高い職種について解説していきます。

派遣社員の平均時給は?

一般社団法人日本人材派遣協会の調査によると、派遣社員の時給平均値は1,421円。(2019年度)

さらに詳しく見ていくと都市部(東京・大阪・愛知)では時給平均が1,578円と全国平均よりも高い平均値です。

飲食店や事務職でのアルバイトやパートの時給は良くても1,200円前後であることと比較すると、派遣社員は同じ業務内容にもかかわらず時給がとても高いことが分かります。

業種別!派遣の平均時給・相場を解説

上記でご紹介したように、派遣社員はアルバイトやパートの時給と比べて高いということがわかりました。しかし、業種によっても時給の平均は変わるものです。

  • ・事務
  • ・販売・接客
  • ・テレマーケティング
  • ・プログラマーなどのIT系エンジニア
  • ・通訳・翻訳業

ここからは、上記の業種別に平均時給と相場についてご紹介していきたいと思います。

事務

派遣での事務の求人は多く、基本的に土日祝休み、デスクワークなど働きやすい環境のため人気の仕事。

事務職は定型業務が多いので、未経験でもOKな求人も多く見られます。

初めての方でも挑戦しやすく人気の職種ですが、一般事務の派遣社員の平均時給は約1,356円でした。

地域別で比較すると関西の平均時給が高く、その中でも東京都が1,642円と最も高くなっています。

全体の給与幅としては1,092〜1,752円と比較的広いため、勤務先や経験・求められるスキルによっても大きな差があるようです。

未経験で始めても段階的にキャリアアップしやすく、経験を積むことで業務の幅を広げることができるでしょう。

引用:求人ボックス「給料ナビ」

販売・接客

販売などの接客業も未経験者でも始めやすい仕事ですが、コミュニケーション能力・対人スキルが重要視されます。

求人ボックス「給料ナビ」によると、派遣社員の販売スタッフ平均時給は1,341円程度の相場になっているようです。

アパレル販売員の平均時給は約1,405円なので、時給は販売する物にも左右されるでしょう。

こちらも地域別で比較すると最も平均時給が高い地方は関東で、その中でも東京都が最も高くなっていました。

働く地域や何を販売する仕事かをしっかりと見極めると、より高時給の仕事を見つけることができるでしょう。

テレマーケティング

派遣社員では一般事務職が最も多い職種ですが、電話対応の仕事も多いです。

テレマーケティングとは電話を使った営業・営業支援をすることで、こちらの平均時給は約1,450円でした。

コールセンターは電話で顧客の問い合わせやクレームを処理する仕事なので、テレマーケティングとは業務内容が異なります。

求人ボックス「給料ナビ」によると、テレフォンオペレーターの仕事の平均時給は派遣社員で約1,375円だったので少し下がりますね。

どちらも未経験OKの求人もありますが、電話連絡に関連する軽度の事務作業も含まれるので、基本的なパソコンスキルはあった方がよいでしょう。

事前に研修も行われるので安心ですが、経験者と未経験者では時給に幅が出ることがあるので、まずは経験を積むのがおすすめです。

時給に加えて歩合制の成功報酬が支払われるというメリットがある場合もあります。

プログラマーなどのIT系エンジニア

求人ボックス「給料ナビ」によると、プログラマーなどのIT系エンジニアの平均時給は、約2,132円でした。

プログラマーは専門知識の必要な職種なので、今回ご紹介した職種の中で最も高い時給となっています。

プログラマーにはWebプログラマーやアプリケーションプログラマーなどの種類がありますが、専門知識の必要な分野なので企業ニーズがとても高い職種です。

地域別で比較すると最も平均年収が高い地方は関西で、その中でも奈良県が455万円と高い水準でした。

通訳・翻訳業

求人ボックス「給料ナビ」によると、通訳の平均時給は約1,296円、翻訳は約1,693円でした。

全体の給与幅としては1,151〜1,931円と比較的広くなっており、勤務先やスキルによって大きな差があるようです。

派遣求人の中には時給2,500円以上の求人も多く見られました。通訳・翻訳業も専門知識が必要な分野の職種なので、誰でもできる仕事ではありません。

求められるスキルが高いため、時給も高めになっています。

派遣社員の給料の仕組み

それでは「派遣会社において派遣社員はどのようなシステムで給料をもらうのか」についてご紹介していきます。

派遣社員は正社員やアルバイト・パートとは違い、給料は勤務先から直接支払われるのではなく、所属する派遣会社を介して支払いが行われます。

詳しく見ていきましょう。

派遣社員が受け取る給料の仕組み

派遣社員は派遣先の企業で勤務しても、勤務先から直接給料を支払われるわけではありません。

結論から言うと、派遣社員の給料は派遣会社から支払われる仕組みになっています。

気になるけど難しい派遣社員の給料事情について、わかりやすくご紹介してきましょう。

流れとして以下の3つのポイントがあります。

  1. まずあなたが派遣先の企業で勤務します。
  2. あなたが勤務した場合、派遣先企業から派遣会社へ「派遣料金」としてお金が支払われます。
  3. 企業から派遣会社に支払われた「派遣料金」から派遣会社はマージン(※)を引いた金額と福利厚生があなたへ支払い・提供されます。

※マージンとは仲介料のことです。派遣会社があなたを企業へ派遣したことに対しての手数料と考えると分かりやすいでしょう。

派遣料金の内訳

派遣社員の給料の仕組み段階でも触れましたが、派遣料金の内訳をもう少し細かく見ていきましょう。

企業から「派遣料金」として支払われたお金の内訳は

  • ・派遣社員(あなた)の給料
  • ・社会保険料
  • ・派遣社員の福利厚生に関する費用
  • ・派遣会社の経費
  • ・派遣会社の利益

の分類ができます。

内訳項目は多くありますが、実際にお金のほとんどはあなたの給料や福利厚生に充てられており、派遣会社が得る利益はほんの数%です。

数%と利益が低いにもかかわらず派遣会社が成り立っているのは、派遣の需要が高いからと言えるでしょう。

派遣の時給が高い5つの理由

同じ仕事内容でも、アルバイトより派遣社員の時給の方が高いと聞くとどうしても派遣社員を選びたくなりますよね。しかし業務内容が同じにもかかわらず、派遣社員はなぜ時給が高いのでしょうか。

派遣社員が給料をもらう仕組みを理解したところで、次は派遣社員の給料がなぜアルバイトやパートに比べて高い設定になっているかについて解説していきます。

派遣社員の時給が高い理由は以下の5つです。

  • 人材募集・採用のコストカットができるから
  • ・交通費・ボーナスなどを含んだ額であるから
  • 派遣社員の給与を経費にし、税金を節約しているから
  • ・高い時給を掲載し、より多くの応募者を募りたいから
  • 派遣社員は契約による制限が少ないから

それぞれの理由を詳しく見ていきましょう。

1.人材募集・採用のコストカットができるから

まず1つ目の理由は「時給が高いと求人人気が高まる」ことでしょう。

仕事を探す際、最も気になる項目が時給です。

ですから時給を高く設定することにより人が集まりやすくなり、採用にかける時間や経費をカットすることができます。

ですから派遣社員として時給を高めに設定して求人に出すことは一見、派遣会社側にとって不利になるように見えますが、長い目で見た場合コストカットに繋がっているのです。

2.交通費・ボーナスなどを含んだ額であるから

派遣社員の場合、交通費やボーナスが支払われないことがほとんどとなっています。

なぜなら、時給にあらかじめ交通費やボーナスを含む設定になっているからです。

例えばアルバイトの場合だと時給1,000円の仕事でも、派遣社員の場合は1,300円となっていることがあります。

その場合は、プラス300円分が交通費やボーナスの代わりになっていると考えましょう。

3.派遣社員の給与を経費にし、税金を節約しているから

派遣社員は企業の節税にも大きなメリットをもたらします。

そもそも「給与」とは企業が「直接雇用」している人に支払われるもの。

したがって、企業から派遣会社に支払われるお金は給料ではなく「人材を派遣してくれた対価の派遣料金」となります。

「派遣料金」は人件費ではなく「経費」に該当しますから、税金控除の対象となる項目です。

派遣社員を利用することにより企業は税金の節税をすることができるので、多少時給が高くても派遣契約することは企業にとってメリットになります。

派遣社員を迎えることで節税をしながら人手を増やすことができる、とてもお得な方法です。

4.高い時給を掲載し、より多くの応募者を募りたいから

同じ仕事であれば時給が高い方がもちろん嬉しいですよね。

ですから高い時給で求人に掲載すると人は多く集まります。

人が多く集まると、必然的に優秀な人が応募してくれる確率が上がりますから、派遣会社にとっては時給を高くすることはそのリスク以上に大きなメリットを生み出すのです。

5.派遣社員は契約による制限が少ないから

派遣社員の契約は基本的に3ヶ月単位です。

企業で就業中に実績や信用を積めば長期での契約をすることも可能ですが、基本的には「必要がなくなれば契約解除」という考えが大前提でしょう。

企業側にとっては莫大な人件費を割いて何度も新しい人を雇用するよりは、派遣会社から自分の必要なタイミングで人員を派遣してもらえる方が手間もお金もかかりません。

しかし派遣社員側にとっては、いつ契約が解除になるか分からない不安が付きまといます。

その代わりに給料は交通費やボーナスを含んだ高めの時給設定となっている、と考えると納得することができるでしょう。

時給内に交通費やボーナスが含まれているおかげで高時給。さらに派遣会社の福利厚生も万全。

派遣社員にはメリットがとても多いです。

しかし「いつ仕事がなくなるか不安」という点は派遣社員の唯一のデメリットでしょう。

さらに給与アップ!派遣でも時給交渉が可能

派遣社員として働いている場合、正社員とは違って年次の昇給がないため、現状の給与に満足していない方もいるかもしれません。

仕事の評価が給与に反映されていないと思ったり、時給アップさせたいと考えている方は、派遣でも時給の交渉が可能です。

では、時給交渉は誰に対して行えばいいのでしょうか。ここからは、時給交渉を成功させるためのポイントをいくつかご紹介します。

誰に対して交渉する?

派遣社員は勤務先の会社ではなく派遣会社に所属しているので、派遣会社に対して交渉を行います。

派遣社員で働いている場合、大抵は自分の担当者がいるはずなので、まずは担当者に相談してみましょう。

担当者に交渉した上で、担当者が派遣先会社に単価交渉を行い、派遣社員の昇給につながるという流れになります。

交渉するタイミング

働いてからあまり月日が経っていなかったり、仕事があまり評価されていないのに時給交渉をしても、成功にはつながりません。担当者に相談するだけで、勤務先への交渉までつながらないこともあるでしょう。

時給交渉におすすめなタイミングは、一般的には派遣の契約の更新時期になります。

契約更新時期は、派遣会社の担当と派遣先会社が契約の更新について連絡を取り合うようになるので、派遣先からの契約延長の希望があれば、このタイミングに交渉することにより成功しやすくなるはずです。

交渉するのは派遣会社なので、更新の1ヶ月前くらいには派遣会社に交渉の相談をしましょう。遅すぎると更新に間に合わなくなるので、ギリギリにならないよう注意してくださいね。

派遣の時給交渉を成功させるポイント

仕事が評価されないうちから時給交渉をしても成功に繋がらないと上述しましたが、時給交渉を成功させるポイントとしては、役職に就いた時、スキルアップした時などが成功しやすいでしょう。

スキルアップについては、自分自身が仕事にどれだけ創意工夫をして会社のために働いたかというアピールをすることはもちろんですが、資格を取得するのもアピールポイントになります。日商簿記やTOEICの高得点、マイクロソフトスペシャリストなどの有名な資格は評価されやすいようです。

また、役職に就いたということは勤務先から正当に評価されているということなので、この場合にも時給アップに成功する可能性は高くなっています。

時間がなくて資格取得ができない……という方でも、諦めずに普段から良好な勤務状況を維持しましょう。

無断欠勤や遅刻が無いのはもちろん、周囲との関係が良好であれば派遣継続につながりやすく、時給交渉もしやすくなります。

派遣とアルバイトのどちらが良い?

派遣社員の時給の高い理由を、派遣社員のメリットデメリットに触れながらご紹介しました。「じゃあ派遣とアルバイトは結局どっちが良いの?」と悩みますよね。

お悩みの方のためにこの項目では

  • ・派遣とアルバイトの違い
  • ・派遣社員とアルバイトそれぞれのメリット

についてご紹介していきます。自分のライフスタイルや目標に合わせて働き方を考えていきましょう。

派遣とアルバイトの違い

派遣とアルバイトの大きな違いは

  • ・雇用に対する期限の有無
  • ・直接契約か否か

の2つです。

派遣の場合は契約に期限があり、急に契約終了になることも珍しくありません。

しかしアルバイトの場合、企業との直接契約ですから「●●日で辞めて下さい」ということはないでしょう。

また雇用方法にも違いがあり、派遣の場合は派遣会社を通じて企業に勤務する形になりますが、アルバイトの場合は企業と直接雇用契約を結び就労する形になります。

派遣で働くメリット

派遣で働くメリットは

  • ・時給が高い
  • ・派遣会社からのサポートがある
  • ・スキルアップが可能

と3つのメリットがあります。

時給が高いのはもちろんのこと、さらにバックアップも万全で就業中も派遣会社のサポートを受けながら仕事をすることができるのは大きいですね。

派遣先でトラブルがあった場合、派遣会社が間に入ってくれるので心強いでしょう。

またスキルアップ講座の参加や資格取得のサポートなど、福利厚生を利用してキャリアアップをできることも派遣の魅力です。

派遣での働き方は「子育て中で正社員での勤務は難しい、でもキャリアアップはしたい」という主婦にとってはおすすめの働き方となっています。

アルバイトで働くメリット

アルバイトで働くメリットは

  • ・企業と直接雇用の関係
  • ・就労に期限の定めがない
  • ・シフトの融通が利きやすい

というメリットがあります。

アルバイトの場合は企業と直接雇用契約を結ぶので、働く期限はありません。

またシフトも1か月単位で出すことが多いので、自分の予定に合わせて自由に働くことができます。

試験や部活のある学生にとってはアルバイトの方がおすすめです。

まとめ:派遣の時給が高い理由を踏まえ、自分にあった働き方を選ぼう

今回は派遣社員の給料の仕組みを解説し、さらに派遣社員の時給がなぜ高いかという理由をご紹介しました。

また、アルバイトと比較することで派遣社員のメリットとデメリットについてもおわかりいただけたかと思います。

「結局派遣とアルバイトどっちがお得な勤務形態?」という疑問ですが、結論から言うと自分のライフスタイルや目標によって勤務形態を決めることがおすすめです。

キャリアアップを目指すのであれば派遣社員を、自分のやりたいことや予定に合わせて働きたい方はアルバイトを選択すると良いでしょう。

派遣とアルバイトのメリットデメリットを確認し、自分のスタイルに合った方を選ぶことで無理なく働くことができるはずです。

あなたにぴったりな働き方がこの記事を通して見つかりますように。

なお派遣会社の給料についてもっと知りたい方は、以下をチェックしてみてください。

執筆者

baito-note編集部

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